意外に怖い歯周病! 身体への影響を解説します

今回のブログは【歯周病】についてです。
よく耳にするとは思いますが、具体的にどのようなものなのか触れてみようと思います。

***身近な病気「歯周病」とは***

~どのような症状??~

日本人が歯を失う原因第一位の『歯周病』。
歯周病とは、歯と歯茎の隙間から細菌が入り込み、
歯を支えている歯茎(歯肉)や骨が壊されていく病気です。
ひどくなると歯がグラつきはじめ、最終的には抜け落ちてしまいます。

さらにこの歯周病は、糖尿病のように治癒することはなく、
一度発症した場合にはこれ以上進行しないよう治療しながら寄り添っていく必要のある病気です。
早めの治療で改善させ、悪い状態に再発させないことがとても重要になってきます。

また近年では、身体にも影響を及ぼすことがわかってきました。

~身体に及ぼす影響~

歯周病は[身近なお口の問題]に留まらず、全身に影響を及ぼすこともある病気です。
どのような病気が関わってくるのか、是非注目してみてください。

●糖尿病
歯周病は糖尿病の合併症として深く関与していて、歯周病が悪化すると血糖のコントロールが悪くなってしまい、
逆に治療をすればコントロールが良くなるとされています。

●心疾患・脳血管疾患
歯周病によって出来た炎症性物質が、血流を通して血管に影響を及ぼしたり、
また原因菌によって動脈硬化が促進されたり、血栓ができ血流の詰まりや出血を招く原因ともなります。

●消化器疾患
これまでは、「歯がない人は十分な咀嚼ができない」ということから、
潰瘍性大腸炎や大腸癌、クローン病などの≪大腸≫で起きる病気と、歯周病の関連を指摘されてきましたが、
この咀嚼問題以外にも、口の中にいる弱毒性の細菌がそれぞれ役割を協力しながら、
歯周病菌が定着するのを助け、消化器系の病気を引き起こすということが分かってきました。

●認知症
特にアルツハイマー型認知症には、歯周病原因菌が産生する毒素が脳内に蓄積されていることがわかっており、
単に歯を失うだけでも認知症リスクは約2.6倍高まると言われる中、
歯周病による歯茎の出血がある人の認知症リスクは36倍になるとも言われています。

●骨粗鬆症(こつそしょうしょう)
歯を失ってしまうと咀嚼する力が弱まり、バランスよく食事することが難しくなったり、
食物の消化吸収力が低下してしまい、身体全体の骨密度が低下。
歯を支えている骨も減少してしまううので、さらに悪循環が起こりやすくなってしまいます。

●誤嚥性肺炎
食べ物や飲み物、唾液などが誤って気道に入ってしまった時に一緒に細菌が気管支や肺に入ってしまうことで、
発熱や咳、濃い色の痰が出るなどの症状が現れる病気で、飲み込む力が低下してしまった場合に起こりやすくなります。
口の中の細菌が原因であることが多いと言われています。

●早産・低体重児出産
つわりなどで口腔内が衛生的に保たれず菌の増殖しやすい環境となってしまうことから血流不良となり、
胎児への栄養供給がうまく行われず早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。

以上のことが、考えられている歯周病による身体への影響になります。
つい簡単に思いがちな「歯周病」ですが、身体の各所へ様々な影響を及ぼすということが
なんとなく伝わりましたでしょうか。
もし歯周病と診断されたら、早めに治療を始めることをおすすめいたします。

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渋谷駅宮益坂方面出口より徒歩5分の【みさき歯科医院】では、
日本歯科麻酔学会歯科麻酔認定医であり、日本大学歯学部 歯科麻酔学講座兼任講師 見﨑 徹と、
日本大学歯学部 補綴学の元准教授 桟 淑行が診療にあたっています。

安全で最新の歯科医療をご提供し、ホームドクターとして皆様の健康と笑顔のある生活のお手伝いをさせていただきますので、
どうぞお気軽にご予約、ご来院くださいませ。

監修:
みさき歯科医院 渋谷・宮益坂
      院長 見﨑 徹


経歴:
日本大学歯学部(昭和50年卒)
日本大学大学院歯学研究科修了(口腔外科学専攻)
日本大学歯学部口腔外科学教室
日本大学歯学部歯科麻酔学講座 所属
国立がんセンター麻酔科 所属
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院麻酔科 所属
日本大学 歯学部歯科麻酔学 准教授(2016年3月退任)
日本大学歯学部付属歯科病院歯科麻酔科 科長(2016年3月退任)

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