歯周病予防にメンテナンス・定期検診が重要な理由と効果的な頻度

.歯周病予防にメンテナンス・定期検診が重要な理由

まず、歯周病とは、細菌感染により、歯肉が炎症を起こしたり歯を支える骨が溶ける病気で、重度の場合は歯が抜けてしまうこともあります。
歯周病は、お口の中の細菌によって引き起こされます。
これを防ぐためには、歯磨きやフロスでの清掃だけでは十分ではないことがあります。
そこで、定期検診やメンテナンスが非常に重要な役割を果たすのです。

以下に、メンテナンス・定期検診が重要な理由を3つ紹介します。

➀予防のためのプロのケア

日頃のセルフケアでは難しい部分もしっかりケアしてもらえます。
また、歯科医師や歯科衛生士はプロフェッショナルなので、的確なアドバイスをしてくれます。

➁早期発見・早期治療

定期検診では、歯周病の症状を早期に発見することができます。
初期段階では自覚症状が少ないため、放置してしまいがちですが、定期検診によって早期に対処することができます。

➂複数の問題を同時にチェック

定期検診では、歯周病のケアだけでなく、むし歯や嚙み合わせのチェックなども行われます。
これによって、お口全体の健康状態を把握し、適切な予防や処置をすることが可能です。

以上の理由から、歯周病予防においてメンテナンスや定期検診は非常に重要です。
ぜひ、定期的に歯科医院を訪れていただき、健康な口腔内を維持しましょう。

.日常生活でできる効果的な歯周病予防法

歯周病は、歯茎の腫れや出血を引き起こしたり、歯を支える顎の骨が溶けることで歯がぐらついたり、最悪の場合は歯が抜け落ちたりする病気です。
また、口臭の原因にもなります。
日本人の成人の約8割が歯周病にかかっていると言われており、一人ひとりがしっかりと対策を講じることが重要です。
そこで、今回は簡単に実践できる歯周病予防法を4つご紹介します。

➀歯磨きの見直し

歯磨きは、歯周病予防の基本です。
適切な歯ブラシを選び、歯と歯茎の境目を中心に、一本一本丁寧に磨くことが大切です。
また、歯磨きペーストにも注目しましょう。
様々な歯磨きペーストがありますので、個々のお口の状態に応じた選択ができるよう、歯科医師や歯科衛生士への相談をおすすします。

➁デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯磨きだけでは届かない歯と歯の間には、プラーク(歯垢)が溜まりやすくなります。そこでデンタルフロスや歯間ブラシを使い、歯間の汚れをしっかりと除去しましょう。適切な使い方を身につけることも重要ですので、歯科医院で指導を受けることをおすすめします。

➂適度な水分の摂取

水分をしっかり摂って唾液の分泌を促すことが、歯周病予防にも効果的です。
唾液は、お口の中の汚れを洗い流したり、お口の粘膜を保護したり、細菌の繁殖を抑えるなど、お口や全身の健康に大切な役割をたくさん持っています。
水分の摂取が不足すると、唾液の量が減ってお口の中が乾燥してしまい、歯周病や口臭の原因になるため、適度な水分の摂取も重要です。

➃定期的な歯科受診

自分でできるケアに加えて、歯科医院での定期的な検診やクリーニングが歯周病予防には欠かせません。
歯科医院の技術を活用して、自分では取り切れなかったプラークや歯石を除去しましょう。

これらの予防法を日常的に実践することで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
ぜひ、今日から取り組んでみてください。また、歯周病に関する相談や治療については、いつでもお気軽に当院までお問い合わせください。
 

.適切な定期検診の頻度

すべての年齢層において、少なくとも3~6ヶ月に1回は歯科検診を受けることを推奨します。
これにより、虫歯や歯周病といった一般的な歯科疾患を早期に発見し、治療することが可能となります。

特に歯周病のリスクが高い成人や、既に歯周病の治療を受けている方の場合は、1~3ヶ月に1回の検診をおすすめしています。歯周病は進行がゆっくりとしているため、定期的なチェックが重要です。

また、小児においては、乳歯が生え始めた幼児期から定期的な検診を開始することが望ましいです。
子どもは成長の過程で歯並びや噛み合わせが変化しやすいため、早期からのチェックにより、将来的に矯正治療が必要になる可能性を減らすことができます。

高齢者においては、全体的な健康状態や他の疾患の管理と連動して検診の頻度を決定することが重要です。
特に、糖尿病患者や心血管疾患をお持ちの方は、お口の中の病状が全身状態に影響を与えることがあるため、通常より頻繁な検診が推奨されることもあります。

多くの歯科疾患は初期段階では症状が出にくいため、自覚症状がなくとも定期検診を受けることがとても重要です。
自覚症状が出てからでは、治療の選択肢が限られたり治療が困難になることがあります。
定期的な検診で健康な口内環境を維持していくことで、より大きな医療費用の発生を防ぐことができます。

歯科医師と相談しながら、自分に合った検診の頻度を決定することが肝心です。
適切な頻度での定期検診を受けることで、長期的に健康な歯を維持することが可能となります。

.みさき歯科医院における歯周病予防サポート

歯周病は、口の中の細菌が原因で歯周ポケットが深くなり、歯周組織が破壊される病気です。
歯周病が進行すると歯がグラグラになったり、最悪の場合、失ってしまうこともあります。
しかし、早期発見・早期治療すれば、歯周病は予防・改善することができます。

まず、当院では定期的な歯科検診を推奨しています。
歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、定期的な検診で歯科医師によるチェックを受けることで、早期発見・早期治療が可能となります。

また、歯周病に対するセルフケア指導も行っています。正しいブラッシング方法や使用すべき歯ブラシなど、適切なデンタルケアの方法を指導し、ご自宅でのケアの向上をサポートします。

さらに、当院ではより詳しい歯周病のリスク検査を導入しています。
歯周病の原因となる菌には複数の種類があり、どの菌がどれだけお口の中に住んでいるかは人それぞれ大きく違います。
病原性の高い歯周病菌の割合が多いと、歯を支える骨の溶けるスピードが早くなり、歯周病が進行しやすくなります。
専用の機器でお口の中の細菌を採取して、病原性の高い歯周病菌がいるかチェックすることで、患者さんごとの歯周病リスクを把握できるため、より1人1人に合った予防・治療のプログラムを組むことが可能です。

また、当院ではPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)も行っています。
PMTCは歯周病やむし歯の原因となる細菌の膜(バイオフィルム)を取り除くために、専門的な器具を用いて歯科衛生士が行うクリーニングです。
このケアにより、歯の表面の歯垢や歯石、歯間や歯周ポケットに詰まった汚れを綺麗に除去し、口腔内環境を整えることができます。

歯周病は糖尿病や心血管疾患のリスクも高める病気です。
当院では、健康な口腔環境を作るためのサポートを行っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

監修:
見﨑 徹


経歴:
日本大学歯学部(昭和50年卒)
日本大学大学院歯学研究科修了(口腔外科学専攻)
日本大学歯学部口腔外科学教室
日本大学歯学部歯科麻酔学講座 所属
国立がんセンター麻酔科 所属
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院麻酔科 所属
日本大学 歯学部歯科麻酔学 准教授(2016年3月退任)
日本大学歯学部付属歯科病院歯科麻酔科 科長(2016年3月退任)

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