みさき歯科医院で取り扱いのある被せ物・詰め物の種類と特徴

歯の健康は私たちの日常生活において非常に重要な役割を果たしています。
しかし、むし歯や歯の損傷といったトラブルは避けられないこともあります。
そんな時、歯の被せ物や詰め物が大きな助けとなります。
これらの治療法は、見た目だけでなく機能面でも歯を元の状態に近づけるために重要です。

本記事では、被せ物や詰め物の種類とその特徴について詳しく解説します。
最適な治療法を選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。

.被せ物・詰め物の違い

被せ物は、クラウンと呼ばれ、歯全体を覆う形で修復を行います。
むし歯や外傷で大きく損傷した歯を補強し、機能と見た目を回復させます。

詰め物は、インレーとも呼ばれ、部分的に損傷した歯を修復するために使用されます。
むし歯治療後の空洞や歯の小さな欠けなどの補修に適しています。

それでは、被せ物(クラウン)と詰め物(インレー)に使用する材質の特徴をみてみましょう。

.【被せ物(クラウン)】

被せ物(クラウン)には次の7種類の材質があります。

➀金銀パラジウム(合金)

歯科用の被せ物として一般的に広く使用されており、いわゆる「銀歯」と呼ばれているものです。
金、銀、銅、パラジウムを主成分とする合金で、その他の種類の金属も微量に含みます。

メリット
強度が高く、噛む力に対する耐久性に優れています。また、健康保険が適用されるため、費用の負担を抑えることができます。

デメリット
金属色が目立つため、見た目に影響を与える箇所には向いていません。また、多種類の金属を含んでいるため、金属アレルギーを引き起こす可能性も考えられます。

➁CAD/CAM冠

歯科用プラスチックとセラミックからなるハイブリッドレジンを機械で削り出して作る被せ物です。

メリット
歯の色に近い見た目で目立ちません。保険適用のため、費用が比較的安価です。

デメリット
たわみやすい素材のため、接着剤がゆるんで外れることがあります。また、強度があまり高くないため、摩耗が早く、割れてしまうこともあります。表面に汚れが付きやすく、むし歯の再発や、歯周病のリスクが高くなりがちです。材料自体の劣化により長期の使用で変色します。

➂ゴールドクラウン

金合金を使用した被せ物(クラウン)です。

メリット
ゴールドはほどよい柔軟性があり、嚙み合わせや自分の歯のすり減りに応じてわずかに伸びたり変形してくれるため、長期間の使用でも割れたり欠けたりしにくく、噛み心地がよくなじみます。また、自分の歯との境目に非常によくフィットするため、むし歯の再発リスクを低くすることができます。
金銀パラジウム合金に比べて生体親和性が高いため、金属アレルギーを起こしにくいのも利点です。

デメリット
金属色が目立つため、見た目に影響を与える箇所には向いていません。
また、価格が高価で保険が適応されません。

➃メタルボンドクラウン

内側が金属でできており、その外側をセラミックで覆った被せ物(クラウン)です。

メリット
内側が金属でできているため、耐久性に優れています。
さらに、外側はセラミックで覆うため、自然な見た目も実現することができ、耐久性・審美性のバランスが良いです。

デメリット
金属を使用するため、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
また、セラミックの自然な透明感により内側の金属が透けたり、歯ぐきが下がったりすると付け根部分の金属が見えることがあります。保険適用外のため、価格が高価です。

➄オールセラミッククラウン

すべてセラミックで作られた被せ物(クラウン)です。
セラミックは天然の歯に近い色と透明感を再現してくれるため、見た目が自然に仕上がります。

メリット
自然な見た目に近いため、前歯など目立つ箇所に使用しても見た目の違和感がありません。表面が非常にツルツルなため歯垢や汚れが付きにくく、むし歯や歯周病のリスクを抑えます。材料自体の変色もないため、きれいな見た目が長持ちします。
また、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

デメリット
金属製の被せ物(クラウン)に比べ、強度がやや劣ります。過度の衝撃が加わると割れることがあるため、歯ぎしりのある方や、噛む力や圧が強くかかる奥歯に使用する場合は注意が必要です。また、保険が適用できないため、費用                                                                                                                                                                                                                                                           がかかります。

➅ジルコニアクラウン(ジルコニアボンド)

内側がジルコニアでできており、その外側をセラミックで覆った被せ物(クラウン)です。
ジルコニアは、セラミックの一種ですが、その中でも非常に強度が高い材質です。

メリット
天然の歯に近い白さと透明感を持ち、見た目と優れた耐久性を兼ね備えた被せ物です。表面が滑沢で汚れが付きにくく、変色することもありません。
さらに、金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。

デメリット
保険適用外で、治療費が高額になります。

⓻ジルコニアクラウン(フルジルコニア)

全体がジルコニアで作られた被せ物(クラウン)です。

メリット
耐久性が非常に高く、強い噛む力にも耐えることができます。
表面に汚れが付きにくく、変色しない素材です。
金属を使用しないため、金属アレルギーのリスクもありません、

デメリット
オールセラミッククラウンに比べると、色や透明感の自然さが劣ります。
また、硬度が非常に高いため、適切な嚙み合わせ調整やメンテナンスを受けないと噛み合う歯にダメージを与える可能性があります。保険が適用できません。

.【詰め物(インレー)】

詰め物(インレー)には次の5種類の材質があります。

➀金銀パラジウム合金インレー

保険診療で一般的に使われている「銀歯」の詰め物です。

メリット
保険が適用できるため安価です。強度があるため詰め物自体が欠けたり割れたりしにくいです。

デメリット
金属色で目立つため、審美性に劣ります。また、金属アレルギーを引き起こすリスクがあります。

➁ハイブリッドインレー

歯科用プラスチックとセラミックを混合した材質です。

メリット
歯と同じ色合いで、見た目が自然です。
また、適度な柔らかさがあるため、噛み合わせの負担も少なく済みます。

デメリット
耐久性はやや劣るため、磨耗したり欠けたりする可能性があります。
また、表面に汚れが付きやすく、むし歯や歯周病を引き起こすリスクが上がります。長期的に使用する事で材質自体も劣化し変色してきます。

➂ゴールドインレー

金合金を使用したインレーです。

メリット
耐久性がある一方で、金特有の適度な柔らかさと延びやすさを持ち合わせているため、自分の歯との境目によくフィットします。長期間の使用でも段差や隙間ができにくく、むし歯の再発リスクを低下させます。
また、金合金に含まれる金属は、生体親和性が高く金属アレルギーを引き起こしにくいです。

デメリット
金属色が目立つため、見た目の自然さが劣ります。また、保険適用外のため価格が高価です。

➃オールセラミックインレー

すべてセラミックを使用して作られたインレーです。

メリット
セラミックは天然の歯に近い色や透明感を再現してくれるため、見た目が自然です。
長期間使用しても変色せず、表面が非常に滑沢なため汚れも付きにくいです。
また、金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。

デメリット
金属製の詰め物(インレー)に比べると、強度が劣るため、過度の衝撃や強い力をかけると、破損するリスクがあります。歯ぎしりのある方や、噛む力・圧が強くかかる奥歯などでは要注意です。また、保険が適用できません。

➄ジルコニアインレー

セラミックの中でも強度の高いジルコニアを使用したい詰め物(インレー)です。

メリット
強度が非常に高く、噛む力に対する耐久性にも優れています。
金属と比較すると見た目も自然です。
表面に汚れが付きにくいという利点もあります。

デメリット
色や透明感の自然さはセラミックには劣ります。
保険適用外のため、価格が高価です。

被せ物・詰め物の材質を選択するときには、ご自身でこれらの特徴と違いをよく理解する事が大切です。
渋谷 宮益坂の歯医者 みさき歯科医院では、患者さんのお口の状態に合わせて最善の被せ物・詰め物をご提案させていただきます。
歯が欠けてしまった方、むし歯でお悩みの方はぜひお気軽にみさき歯科医院までお問い合わせください。

監修:
見﨑 徹


経歴:
日本大学歯学部(昭和50年卒)
日本大学大学院歯学研究科修了(口腔外科学専攻)
日本大学歯学部口腔外科学教室
日本大学歯学部歯科麻酔学講座 所属
国立がんセンター麻酔科 所属
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院麻酔科 所属
日本大学 歯学部歯科麻酔学 准教授(2016年3月退任)
日本大学歯学部付属歯科病院歯科麻酔科 科長(2016年3月退任)

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