1.入れ歯とインプラントの違い: 基本的な特徴を理解しましょう
入れ歯とインプラントは、歯を失った場合の代替治療法として広く知られています。
それぞれの違いを理解することで、より適切な治療方法を選ぶことができます。
またその他の選択肢も交えて特徴についてわかりやすくご紹介します。
【インプラント】
▼長所
・異物感がない
・両隣の健康な歯を削る必要がない
・硬いものも噛める(天然歯と比べて咀嚼効率80%)
・見た目が自然でレントゲンを撮らなければ気付かれない
・取り外さなくてよく、あごの骨が痩せるのを防ぐ
・他の歯を削らずに済み、他の歯に荷重負担をかけない
・きちんとメンテナンスすれば一生使える
▼短所
・保険を利用できないため費用がかかる
・時間がかかる(下顎約3か月、上顎約6か月)
・外科手術が必要
【部分入れ歯】
▼長所
・保険が使えるものがある
・自費では、ばねが見えない義歯などが選べる
・外科手術が不要
・治療期間が比較的短い
▼短所
・違和感が大きく、硬いものをかみにくい(天然歯と比べて咀嚼効率20%)
・バネをかける歯の荷重負担が大きく、歯の寿命が縮まる
・次第にあごの骨が痩せてくるので調整が必要、10年程度で作り直さなければならない
・汚れがたまりやすく、毎食後取り外して手入れが必要
また、入れ歯とインプラント以外に、ブリッジという治療法もあります。
抜けた歯の両隣を削り、被せ物を橋(=ブリッジ)のようにつなげて歯を補う方法です。
【ブリッジ】
▼長所
・保険が使えるものがある(基本的には銀歯。前歯の場合は銀歯の金属にプラスチックを貼ったものを用いるが変色しやすいのが欠点)
・自費では、美しいジルコニアやメタルボンドが使える
・外科手術が不要
・取り外しが不要
▼短所
・寿命が約7.5年と短い
・汚れがたまりやすく、清掃が難しい
・両隣の健全な歯を削る必要がある
・両隣の歯に荷重負担をかけるので歯の寿命が縮まる
2.入れ歯のメリット・デメリット: あなたのライフスタイルに合った選択を
最近はインプラント治療も人気ですが、入れ歯も依然として重要な選択肢の一つであることを忘れないでください。
以下に入れ歯のメリット・デメリットを詳しくご説明します。
【入れ歯のメリット】
メリット➀費用が抑えられる
入れ歯は、インプラントやブリッジ治療と比較して費用が手頃なため、経済的な負担を軽減できます。
メリット➁治療期間が短い
入れ歯の製作は比較的早く、治療が終わるまでの期間が短いです。
インプラント治療の場合、数ヶ月から1年以上かかることもありますが、入れ歯なら治療の期間を短縮できます。
【入れ歯のデメリット】
デメリット➀定期的な調整が必要
入れ歯は、歯茎の形状や咬み合わせが変わると合わなくなることがあります。
そのため、定期的な調整が必要になり、維持管理の手間がかかります。
デメリット➁耐久性に劣る
入れ歯は摩耗や変形が起こりやすく、劣化しやすいため、定期的な交換が必要です。
インプラントと比較すると耐久性に劣ります。
デメリット➂支える歯や歯茎に負担がかかる
入れ歯は、支える歯や歯茎に圧力がかかるため、歯周病予防に注意が必要です。
また、食事時の違和感や痛みがあることもあります。
デメリット➃見た目や発音に影響
入れ歯は適切に装着しないと見た目や発音に影響が出ることがあります。
そのため、外観やコミュニケーションに不安が残ることもあります。
【適切な選択肢を選ぶためのポイント】
1. 予算や治療期間、自身の状況を考慮して選びましょう。
2. クリニックや歯科医師と相談しながら、最適な方法を決めましょう。
3. 入れ歯のデメリットを理解し、適切なケアやメンテナンスを心がけましょう。
入れ歯にはメリットとデメリットがありますが、自分のライフスタイルや条件に合わせて選択することで、ストレスフリーな日常生活を送ることができます。
クリニックを探している方は、ぜひ一度ご相談ください。
3.インプラントのメリット・デメリット: 最適な治療方法を見つけるために
インプラント治療が注目されている現代、患者さんが治療方法を選ぶ際に、インプラントと入れ歯の違いやそれぞれのメリット・デメリットを理解することが重要です。
ここではインプラント治療のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
【インプラントのメリット】
メリット➀咀嚼力の回復
インプラントは天然の歯に近い咀嚼力を提供し、食事の際に安定した噛み心地を実現します。
メリット➁隣の歯を削らなくてよい
入れ歯やブリッジ治療では隣の歯を削る必要がありますが、インプラントではその必要がありません。
メリット➂骨吸収の抑制
歯がなくなることで顎の骨が徐々に吸収して痩せていくことがありますが、インプラントによってその吸収を抑制することができます。
メリット➃きれいな見た目
インプラントは自然な歯並びと美しい見た目を実現することができます。
【インプラントのデメリット】
デメリット➀治療期間がかかる
インプラント治療は入れ歯やブリッジに比べ、治療期間が長くなる場合があります。
デメリット➁費用がかかる
インプラント治療は他の治療方法に比べ、費用が高くなることがあります。
デメリット➂手術が必要
インプラント治療は顎にインプラントを埋め込むため、手術が必要です。
デメリット➃体質や持病が影響
糖尿病や喫煙者など、インプラント治療が難しいケースもあります。
クリニックを探している方には、インプラント治療が適した選択であるかどうか慎重に検討していただきたいと考えます。
メリット・デメリットを十分理解し、最適な治療方法を見つけるために、信頼できる歯科医師と相談することをお勧めします。
4.自分に合った選択をするためにクリニックでの相談のポイント
入れ歯やインプラント治療を検討している方にとって、自分に合った選択をするためには、クリニックでの相談が重要となります。
ここでは、相談の際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
1. 治療方針や技術についての説明を聞く
まずは、歯科医師から治療方針や技術についての説明をしっかりと聞くことが大切です。
入れ歯やインプラントの治療方法やメリット・デメリットを理解することで、自分にとって最適な選択ができるようになります。
2. 自分の症状や治療に対する期待を伝える
次に、自分の症状や治療に対する期待を歯科医師に伝えましょう。
これにより、歯科医師は患者様の症状や要望を理解して最適な治療プランを提案することが可能になります。
3. 質問や相談を積極的に行う
治療に関する質問や疑問がある場合は、積極的に歯科医師に質問や相談を行いましょう。
これにより、不安や疑問を解消し、より自信を持って治療を受けることができます。
4. 費用や保険適用について確認する
入れ歯やインプラント治療にかかる費用や保険適用の有無も、重要なポイントです。
治療前に費用や保険適用について確認しておくことで、後でトラブルになることを防げます。
5. アフターケアについて確認する
最後に、アフターケアについても確認しておきましょう。
クリニックによっては、定期的なメンテナンスやフォローアップが行われる場合があります。
自分に合ったアフターケアが提供されるかどうかも、クリニック選びのポイントのひとつです。
以上のポイントを押さえて、自分に合ったクリニックを選び、入れ歯やインプラント治療に臨むことで、より安心して治療を受けることができます。
クリニックでの相談の際には、ぜひこれらを参考にしてみてください。
監修
みさき歯科医院 渋谷・宮益坂
院長 見﨑 徹
経歴:
日本大学歯学部(昭和50年卒)
日本大学大学院歯学研究科修了(口腔外科学専攻)
日本大学歯学部口腔外科学教室
日本大学歯学部歯科麻酔学講座 所属
国立がんセンター麻酔科 所属
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院麻酔科 所属
日本大学 歯学部歯科麻酔学 准教授(2016年3月退任)
日本大学歯学部付属歯科病院歯科麻酔科 科長(2016年3月退任)